こころの軌跡

キャラクター紹介

西村高広(にしむら・たかひろ)
 佐久本板金に務める23歳。若いながら腕のいい自動車整備士である。父の影響でスバルの軽自動車「レックス」にはまり、
愛車の維持と整備に命をかけている。性格はお人好しで冷静。やや無感動なところがある。「KH4レックスVX」と「KH3レックス
CX−i」「KH3レックスVX」の3台のレックスを所有。
170cm。B型。蠍座。
望月すばる(もちづき・すばる)
 高広の高校時代の同級生で唯一と言ってもいい女友達。元西国耐久選手権のチャンピオンドライバー。整備士としても優秀だが、
どうもパソコンには弱いらしい。重い過去を背負って、現在は沈没状態にある。
性格はおっとりしていて、少々天然気味のドジだが、芯の強い女の子である。愛車はスバルの「ヴィヴィオRX−R『シルバー・ウィング』」で、
通称シグ。第4話で事故によってシグが大破し、現在は運転恐怖症に陥っている。
158cm。B型。牡牛座。
神崎光(かんざき・ひかり)
 高広の職場の後輩兼部下。職場での最若年(といっても22だが)でありながら、優秀な整備士。普通科高校を中退して
工業高校を受け直した経験がある。父は元バイクレーサーで、現在は別の会社の副社長兼レースチーム監督。
性格ははっきりしていて前向きだが、他人に干渉するのは苦手なようだ。華奢だが力持ちで大食い。お酒は飲めない。
板金会社に勤めていながら、車を所有していない。愛車はカワサキの「ZZR250」。
150cm。B型。魚座。
凱裕惟(かちどき・ゆい)
 高広の幼馴染み兼元同級生。元西国耐久選手権のチャンピオンドライバーですばるのライバルだったが、すばるとは仲がいい。
父が経営していた「凱モータース」で整備士として働いている。現在はドライバー職は引退し、整備部門担当になっている。
 愛車はスバルのGF2「インプレッサスポーツワゴンC’z(前期型)」と父がKH3レックスVを改造した「KH3レックスVR−1」。
158cm。B型。魚座。
磯部光輔(いそべ・こうすけ)
 高広の同僚。夜な夜な峠に現れる走り屋くん。愛車はスズキの「アルトワークスRS−Z」。
走りのテクニックは二流以下であまり速くはない。
坂井(さかい)
 すばるのバイト先の同僚。ジムカーナと峠に燃えているが、テクニックは今ひとつ。愛車はスバルの「ヴィヴィオRX−R」。
すばるのテクニックに憧れている。
伊倉(いくら)
 すばるのバイト先の同僚。坂井の親友。
神崎修司(かんざき・しゅうじ)
 光の父。凱モータース副社長兼チームKM監督。元バイクのアマチュアレーサーで、凱モータース創業メンバーの一人。
凱社長亡き後、実質の実権者。
望月隼人(もちづき・はやと)
 すばるの父。喫茶店経営者だが、無性の車好きで特にスバルの車に目がない(そのためすばるは『すばる』と
名付けられるハメになった)。ちなみにすばるの祖父は飛行機好きで、中嶋飛行機(現富士重工)の
飛行機が好きだったため、息子に第二次大戦中の名機「隼」の付く名前を付けてしまったのだ。
第6話で急逝。
西村高志(にしむら・たかし)
 高広の父。凱モータース創業メンバーの一人で、社長の凱影隆によって「レックス」にはめられる。超一流の整備士だった。
作中では既に死去しており、登場しないが、息子である高広に与えた影響は大きかったようだ。


愛車編
スバルKH4レックスVX
 高広の愛車。90年製でスバルファンの間ではKH4Dと呼ばれる形式。全輪駆動で660ccのEN07Zエンジンを搭載。スーパ
ーチャージャーで過給し64馬力を叩き出している。高広の車はこの車体をベースにヴィヴィオRX−RのEN07Xエンジン(DOHC
仕様)を搭載し、ハイカム仕様にするなどしてエンジン関係をいじっている。他にも、エキマニからマフラーまでは自分で設計した物を
ワンオフで作成してもらい、排気系も改造した。足回りは純正部品を徹底的に見直し、自作。出力は70馬力は出ている様子。他にも
フロントタワーバー、リアタワーバー、ロールバーで車体の剛性を上げている。外見上はNA用のフロントグリルを装着しているくらいで
特にいじってはいない。色はジェットブラック。

スバルKK4ヴィヴィオRX−R「シルバー・ウィング」
 第1話時点でのすばるの愛車。98年製でKK4Dと呼ばれる形式。全輪駆動で660cc、DOHCのEN07Xエンジンを搭載し、スー
パーチャージャーで過給。最高出力64馬力。ヴィヴィオの中でも競技用ベースとして知られており、マニュアルミッションしか存在しな
かったこともあって今でも競技でよく見かける。すばるの車はこのこの車体をベースにほとんど全ての部品を「KM」のチューニングパー
ツで改良している。改造点は、エンジン、スーパーチャージャー、インマニ、エアクリ、エキマニ〜マフラー、サスペンション、フライホイール
、ショック、ウォーターポンプ、ミッション、プロペラシャフト、前後スタビライザーなど。他にも前後タワーバーとロールバーで補強。KMの
キットを用いて「えせFR化」して通常は乗っているようである。推測出力80馬力。すばるがシルバー・ウィングという愛称をつけており、
作中ではその省略形である「シグ」と呼ばれる。色は愛称の示すとおりシルバー(高広が全面塗装したらしい。D型RX−Rにシルバー
は存在しない)。元のオーナーは高広。第4話で事故によって大破し、鬼籍に入ってしまった。

スバルKH2レックスVX「リトル・ウィング」
 第1話ではすばるの父の愛車。89年製でKH2Cと呼ばれる形式。全輪駆動で550ccのEN05Zエンジンを搭載し、スーパーチャー
ジャーで61馬力を叩き出していた。発売期間が半年と短く、歴代レックスの中では群を抜いて生産台数が少ないシリーズでもある。
すばるはこの車を受け継いでからKMでチューンしているが、RX−Rほど強化はしなかったようだ。主な改造点は排気系全般、足回り
など。ただし、入手時点で年数がいっていたため、補強に関してはしっかりやったようだ。推定出力64馬力。なお、愛称はすばるが所
有してからつけたもので、隼人は愛称をつけていない。色はジェットブラックで再塗装している。第6話からすばるの愛車に。

スバルKH3レックスCX−i
 第3話で高広が手に入れたレックス。91年製で、KH3Dと呼ばれる形式。形式番号からわかるように、前輪駆動で660ccのEN07E
が搭載され、46馬力を出力している。CX−iは5ドア車の中では最高級グレードで、3ドア車のAX−iと並んで唯一オプションながらパワ
ステが設定されていた。また、後席のヘッドレストやAピラーのカバー、パワーウィンドウ、リモコンドアミラーなど、他のグレードでは省略
されているものも装備されている。反面、装備品の増加で車重がかさみ、ECVT車はスーパーチャージャー搭載のVXと同じ重量になっ
てしまい、走りがやや重たい。部品取りVXを手に入れてから、高広は移植可能な部品で強化している。色はシルキーホワイト。

スバルKH3レックスVX
 第4話で登場したレックス。91年製で高広の乗るVXの前輪駆動モデル。エンジンなど装備品はKH4VXと変わらないが、二駆になっ
ている分軽い。足回りや外装など、ほとんどの部品をNAモデルと共有することができるため、多量に存在する二駆NA車の改造にも
部品取りとして使われる。この車も、最後はCX−iとKH4VXへ部品を供給する形で命を終えた。色はジェットブラックで、高広のVXとの
外見上の違いはノーマルのままだったフロントグリルだけである。

スバルKN2レックスT改「飛燕」
 のちに登場するレックス。87年製でKN2Bと呼ばれる形式。全輪駆動で550ccのキャブレター仕様の2気筒エンジンEK23を
搭載し36馬力を出力。この車体をベースに、KN1VXからEGIスーパーチャージャー仕様のEK23を移植し、KN2シリーズでは有り
得ないスーパーチャージャー仕様全輪駆動を完成させた。また、エアコンレスでオーディオレスのベース車から後部座席も取っ払い
(改造登録済み)、KN1VXから外装の一部も移植し、最軽量のスーパーチャージャー車となった。推定出力は55馬力。

スバルGF2インプレッサスポーツワゴンC’z改
 裕惟が普段乗りしている愛車。95年製。全輪駆動で1500ccの4気筒水平対抗エンジンEJ15Eを搭載、97馬力を出力。もちろん
車屋の裕惟がそのまま乗っているはずもなく、足回りはKMオリジナルに換装ずみ。エンジンもEJ15Eを徹底的に強化し、吸排気系も
KMオリジナルに入れ替えている(あの古いスバル車独特の「ボクサーサウンド」は当然残した。排気干渉はそのままである)。推定出
力はNAながら200馬力以上。外見を全くいじっていないため、ぱっとの見た目は普通のGF2に見えるが、中身はWRXにも引けをとら
ない化け物である(ホイール、ブレーキ、ミッション等が変えられているため、わかる人にはわかる仕様になっている)。
KMの物好きたちが「EJ15搭載のインプレッサをどこまで強化できるか?」という趣味のために作り上げた車である。


こころの軌跡を
より楽しく読むための基礎知識(?)


レックス
 スバル(富士重工)がR−2の後継機として開発、量産した軽自動車。初代から3代目まで別れており、作中に登場するレックスは
全て3代目のレックスである。3代目は86年から92年まで生産された。高広の乗るKH4VXは、この中でもスーパーチャージャーを
搭載した4WDの最高級スポーツグレードの車輌であり、レックスの最後を飾る車輌でもあった。
 作中では高広のレックスは「VX」。すばるのレックスは愛称の「リグ」と表記される。
 レックスに関する説明は上の「レックス」をクリックしてみよう。筆者が管理する別サイトのレックス説明ページへ飛ぶぞ。

ヴィヴィオRX−R
 スバルがあまり数がはけなかったレックスに変わって発売した軽自動車。92年から98年まで生産された。この中でもRX−Rは
特に本格スポーツモデルとして開発された車輌で、人気のあったモデルだ。レックスに比べて狭いが、スーパーチャージャー付
DOHCのエンジンを積み、剛性も上がったボディは、今でもジムカーナやダートラで活躍している。

佐久本板金
 高広と光、光輔が勤務する自動車整備会社。名前に「板金」とついているが、かなり大きな自動車整備会社である。
高広と光は若年ながらこの会社では一目置かれる存在になっており、社長の覚えもめでたい。そのため、結構いろいろと
わがままを聞いてもらっているのも事実だったりする。車の販売もやっているらしい。

木戸見原市
 兵庫県南部地方にある事になっている作中のオリジナル都市。昭和54年に木戸市と見原町が合併して出来た。
高広たちの住むのはこの中でも旧見原町エリアで、旧木戸市エリアに比べるとのんびり穏やかな街である。
旧見原町エリアは、全ての町名に「見原」が頭に着く。どうも兵庫の中心地「神戸市」よりは西にあるらしい。

西国耐久選手権
 この小説のオリジナルレース。西日本だけで行われる耐久選手権だが、ルールがかなり違う。
JAF公認のレースだが、西日本だけという性格上、マイナークラスのレースであるとされている。
すばるがインプレッサWRXで19の時に、裕惟がファミリアGT−Rで20の時にそれぞれチャンピオンになった。

凱モータース
 凱影隆が神崎修司、西村高志という同志二人と共に始めた自動車整備会社。「レースに出て資金を稼ぐ」というコンセプトで
発展を遂げてきた。凱影隆、西村高志という創業メンバー二人は既に他界したが、神崎修司が2代目社長で弱冠21歳の
織部大将を後見している。影隆、高志というレックスきちがいが二人もいたため、過去から現在において、やたらと
レックスのチューニングパーツを開発している、現実にあったら垂涎ものの会社でもある。また、スバル車のレーシングチューン
にも長けた会社で、すばるが西国耐久で優勝した車は、この会社がエンジンチューンを担当していた。

プレアデス
 望月隼人が経営する喫茶店。山陽電車の作中架空駅である「見原本庄」駅前にある。SUBARUブランドおよび富士重工業マニア
である隼人の趣味がふんだんに体現された店だ。その趣味を気づかない人にとっては、ごくごくありふれた喫茶店である。
店名は「すばる」の英語名。第6話で残念ながら閉店となる。

灘スバル
 兵庫スバル灘店兼本社。神戸市灘区岩屋中町に実在。現在は部品センターこそ併設されていないが、建て替えられた建物で
元気に営業中。なお、部品センターは神戸市西区伊川谷へ移転したが、作中の2003年は本社に併設だった。お世話になりました。


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