SUBARU M-KG1

REX SGKokuden







昭和63年式 レックス SG(KG1A)
塗装色:不明

エンジン
 SOHC 2気筒 548cc。
 ネット値は36ps/7000rpm、4.4kgm/4500rpm。
 初代レックスをその祖とする伝統の2気筒EKエンジン、EK23を搭載している。
 当時、他社の軽自動車は既に3気筒化を終えており、軽自動車で唯一の2気筒エンジンとなっていた。
 いわゆる「軽自動車は坂を登らない」を体現したエンジンであり、お世辞にも「パワフルでトルクフルなエンジン」等とは口が裂けても言えない代物だった。
 エンジンルームには文明の利器「EGI」の代わりにキャブレターが設置されていた。
 この車は、エンスト癖がついていたため、燃料を濃いめに設定してもらっていたせいもあって、燃費は平均で11km/Lと、NAの軽自動車にしては伸びなかった方だと思われる。今くらいの整備能力が有れば、もう少しエンジンも良くなったのでは…、OHしてやれば良かったのでは…と思うとかなり残念でならない。
 
EK23エンジンはこの後、B型へのMC経た後、C型(KH1)へのMC時に4気筒のEN05エンジンに置き換えられて、伝統に終止符を打つことになった。なお、サンバーには平成2年まで搭載されたらしい。


ミッション
 2AT。
 86年にモデルチェンジを受けて誕生した3代目レックスは、まだスバルが誇るECVTは搭載されていなかった。ECVTが搭載されるのは88年に登場したB型からであり、88年登録とはいえ、A型のこの車のATは2速のトルコンだったりする。
 まだ軽自動車にATなど贅沢な時代だった(たぶん)ので、大半の軽自動車はMT仕様であり、ATを使用すると「2速」などという今では考えられないような設定があったようだ。2速なので、ギアは1速とトップしかない。0スピードから加速すると、20kmくらいまでは1速で、そこから後は全てトップである。そりゃあぬあわキロなんか出そうなものなら、エンジンルームから悲鳴が聞こえるような状態だった。
 さすがにこの状態はマズイと思ったのか、ジャスティでよっぽどECVTに自信を持ったのか、B型にMCされたときは、2ATはバンの1グレードにしか残されず、あとは全てECVTに変えられていた。



サスペンション/ショック
 詳しい資料がないので何とも言えないが、おそらく4輪独立懸架であり、前ストラット式/後セミ・トレーディング・タワー式だと思われる。
 この車を入手したのは平成7年であり、7年落ちでの状態だった。そのためか、サス/ショックのヘタリはあまりなかったように思われる(少なくともCX−iよりはましだった)。

 乗り心地に関しては、「推して知るべし」としか言えないが4輪独立懸架であるため、他社の同期モデルよりはいいんじゃないかなあと勝手に思っている。


ボディ形状
 税制の関係から、軽自動車はバン(貨物)が全盛だった時代の車である。ギャラリーの上から見た写真を見てもらえれば解ると思うのだが、車検証にある車体形状「箱形」まんまである。
 それでもこの形状は風流などにも配慮された本格設計(?)らしく、リアゲートの最上部などに気合いの入ったところを感じることができる。
 基本的には、このA型のボディが細かい変更はあったものの、D型であるKH3/4まで受け継がれた。ただ、鉄仮面のようなボンネット前端はやはり空気の流入が悪すぎたのか、B型から登場したS/Cモデルには受け継がれず、C型では完全に無くなってしまった。結構好きだったんだけどなあ、あの形。某レックスのサイトでは「カバ面」とも呼ばれていたけど…。



タイヤ/ホイール
 全く資料がないのだが、おそらく135 SR 12だったのではないかと推測される。
 メッキのてっちん+センターキャップという仕様だった。最高級グレードだったにもかかわらず、ホイールキャップすら着いていなかった点に時代を感じでしまう。



ステアリング
 基本的にはD型まで何も変わっていない。
 この車のステアリングは、D型では廉価モデルに搭載されていた「一般グリップハンドル」と呼ばれるのもらしく、細い上にやたらと堅く、握り心地が悪かったように記憶している。それでも、このステアリングで重ステの「すえぎり」ができたのだから、ある意味凄いステアリングだったのだろう。


バンパー
 この車は「セダン」であるが、軽自動車は総じて「貨物優先」だった時代の車である。
 今では当たり前である「カラードバンパー」などというものは、セダンの最上級グレードであるこの車にさえ無かった。同じ形でバンパーとボディが同色のものは、B型のレックスである(B型からはカラードバンパーのモデルが増えたらしい)。

 反面、この樹脂バンバーは、「擦っても傷が目立たない」という利点があり、初心者にはありがたい代物であった(ええ、ええ、何度も擦りましたとも。おかげで、0センチまで寄せられるようになりました)。


オーディオ
 JVCの1DINカセットデッキを搭載していた。
 当時の廉価型モデルの中では、AUX端子付きという優れた機能があった。このため、CDやMDもここへ接続して万事オッケーという状態にできた。この機能をフルに活用するため、助手席脇にCDウォークマンの固定キットを取りつけ、CDとMDに関しては、シガライタから取る電源ユニットも購入した。もっとも、ただでさえ狭い助手席は固定キットで更に狭くなり、素晴らしく不評だったが…(^^;)
 スピーカーはリアボードに置き型のものを搭載した。元々はフロントに1スピーカーだったため、ここへの配線はカットしてしまった。純正のオーディオ(ラジオオンリー)は撤去した。


シール
 最終的には以下のとおり。
 ・BP  1枚。
 ・「REX SUBARU88」  1枚。
 ・「REX」   2枚。
 ・「Don't kiss me!!」  1枚。
 ・「安全運転」   車内に1枚。
 ・「車内禁煙」   車内に1枚。



ライト関係
 全て純正(って言うか、平成7年当時、ライト交換はまだ一般的にはなっていなかったような気がする…)。
 後半からフロントバンパーに安物のフォグランプを増設した。このため、それ以後のこの車を「国電レックス」とか「国電SG」などと呼ぶようになった。


その他
 エンジンオイルはBPの「MINI NA」。この当時からこれしか使ってない。オイルフィルターはオートバックス製(?)のもの。
 ガソリンはこの当時ESSOオンリー。今では使うのをやめた伊丹産業でさえ使っていた。


最期
 平成9年1月、ローレルへの乗り換えにて売却。その後、乗り換えの地福井で代車として使われるがすぐに廃車解体された。